伸ばします?伸ばしません?

日本語の文章の中で外国、特に西洋諸国から入ってきた言葉を書くときには、通常カタカナで書きますね。

そしてコンピューターも西洋、特にアメリカで発達したものですから、日本に入るとカタカナの言葉がたくさん並びます。

ところが実は、このカタカナの表記、案外統一されていないことをご存じでしたか?

実は私も一つの出来事があるまでは、その点あまり認識していませんでした。

その出来事、それは複数の職員である文書を作成していたときでした。

文書が完成し、推敲したらあとは提出するだけだ、というときに、ある職員が文書中に「セキュリティ」と「セキュリティー」、「メモリ」と「メモリー」というように、長音を入れる表記と入れない表記が混在していることに気づいたのです。

これが何かの著作タイトルや企業の登録商標を含むために表記の揺れが生じているならばそのままで問題はないのですが、文章中の記述はそうではなかったため、さてどの表記が正しいのやら、と悩むことになりました。

というわけで、ここからが「正しい表記を探る旅」が始まるのですが、まさかこれがさらに混乱を深める旅になるとはこの時点で思いもしませんでした。

で、まずは日本語の表記については、お国のスタンダードがあればそれに則るのが正しいと考え、文化審議会国語分科会(昔、「国語審議会」と呼ばれていたところです)がある文化庁の資料「外来語の表記」でどの表記が正しいのか調べます。

しかし、「前書き」を読んで早速行き詰まります。

そこには、

2.この『外来語の表記』は,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。

という一文がありました。

つまり、専門分野では表記は専門分野ごとで決めていい、ということでしょうか。

とはいえせっかくですから、「外来語の表記」の内容を読んでみます。

「外来語の表記 留意事項その2」には、

3.長音は、原則として長音符号「ー」を用いて書く。

とあり、「注3」には

英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。

とあります。

「メモリ/メモリー」「セキュリティ/セキュリティー」については、「外来語の表記」のこの部分に従えば、原則「メモリー」「セキュリティー」となるようですが、「メモリ」「セキュリティ」でもどうやら間違いではなさそうですね。

ただ一つの省庁の資料だけでは不安なので、次に、インターネットなど情報通信のいろいろについて規制を行っている、総務省を調べてみます。

総務省では明文化した外来語の取り決めは見つかりませんでしたので、総務省が制作した情報通信に関するサイト、例えば、「国民のための情報セキュリティサイト」の中を調べてみます。

「セキュリティ」「コンピュータ」「ブラウザ」…基本的に語尾は伸ばしていませんね。

同じ政府でも省庁によって意見の差があるようで何が正しいか分からないのもこまったものですが…。

それでは次に、国の機関を離れ、規格や業界団体に何かヒントがないかを探してみます。

まずは、多くのコンピューター製造メーカーがガイドラインとしている、日本の工業製品の規格であるJISを調べてみます。

JISの規格票の表記などを定めたZ8301:2011「規格票の様式および作成方法」には、主として前述「外来語の表記」によるとはしてありますが、附属書G中の「G.6.2.2 英語の語尾に対応する長音符号の扱い」を見ると、

a) 専門分野の用語の表記による。

学術用語においては、原語(特に英語)の綴りの終わりの、-er, -or, -arなどを仮名書きにする場合に、長音符号をつけるか、つけないかについて厳格に一定にすることは困難であると認め、各用語集の表記をそれぞれの専門分野の標準とするが、長音符号は、用いても略しても誤りでないことにしている。

b) 規格の用語および学術用語にない用語の語尾につける長音符号は、表G.3による。

と記載されています。

「表G.3-外来語の表記に語尾の長音符号を省く場合の原則」には、こうあります。

a) その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号をつけない。

b) その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号をつける。

c) 複合の語は、それぞれの成分語について、上記a)又はb)を適用する。

d) 上記a)~c)による場合で、長音符号を書き表す音、はねる音、および詰まる音は、それぞれ1音と認め、拗音は1音と認めない。
例)エレベータ、カー、カバー

そして上記規則に則って作成された規格の一つ、X0001「情報処理用語-基本用語」から英語の語尾を伸ばす可能性のある単語を拾ってみます。

「コンピュータ」「メモリ」「セキュリティ」これも語尾は伸ばしていませんね。
(でも「ハッカー」は「ハッカ」ではないですね。「発火」や「薄荷」と混同するからでしょうか?)

さらにいくつかの団体のサイトも調べましたが、サイト内の表記は「コンピュータ」「セキュリティ」「メモリ」など、伸ばさない方が主流のようですね。

というわけで問題の文書については「メモリ」「セキュリティ」に落ち着けようと思いましたが、念のためともう一つ検索で引っかかった文章表現のプロのサイトも見てみます。

テクニカルコミュニケーター協会 外来語(カタカナ)表記ガイドライン」によると、

・英語の語尾の-er、-or、-ar、*yに当たるものについては、原則として長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。
例)コンピューター、エレベーター、プリンター

ここでは、外来語については語尾を伸ばしているんですね。

何が正しいか落ち着くつもりで色々調べていたのに、かえって何が正しいのかますますわからなくなってきました。

こうなったら全体の傾向に従うのが正しい方法かな、と思いとりあえずコンピューターに関する主なカタカナの用語を「(長音あり) (長音なし)」でGoogle検索にかけてみて、上位50項目くらいどんな傾向なのか調べてみます。

(1)伸ばさない方が主流
セキュリティ、メモリ(パソコン内部にあるもの)、プロパティ

(2)伸ばす方が主流
メモリーカード、ユーザー、プリンター

(3)まあ半々くらい
コンピュータ/コンピューター、プロバイダ/プロバイダー、ブラウザ/ブラウザー、スキャナ/スキャナー

…やめておいた方がよかったかもしれません。

それで問題の文書はどうなったかというと、以上のようなそのような長い旅をしたあげく、今回の件につきましては、結局職員同士で相談した結果「セキュリティ」「メモリ」と長音なしで統一することで決着を見たのですが、さて本当はどれが正しかったのかについては未だにわからないままです。

日本の中でも、コンピューター用語に限らないカタカナ表記はこれからずっと長音あり長音なしの混在状態が続いてゆく、あるいはいっそいちいちカタカナにしないでアルファベット表記になっていくと個人的には思いますが、さてどのような形が主流になってゆくでしょうか…。


(写真は本文とは関係ありません)

よしおか

 

参考文献

・文化庁 外来語の表記
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/gairai/index.html

・総務省 国民のためのセキュリティサイト
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/

・JIS検索
http://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
※JIS規格番号から検索をすることにより目的のJISを閲覧できます。

・一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会
http://www.jtca.org/

趣味の音楽について

 はじめまして、今年4月より採用になりました新人技術職員です。大阪大学へ来て半年ほどになりますが、この半年は戸惑うことばかりでした。しかしながら、さすが大学だなあと感じることも多く、日々刺激を受けながら過ごしています。

 今回初めてブログを執筆させていただくということで、自己紹介の意味も込めて趣味の音楽のお話をしたいと思います。私は高校生の時に軽音楽部に入部したことがきっかけで、それ以来バンド活動が趣味になりました。クラブに入ったときから私は主にドラムを演奏しており、もうかれこれ10年以上演奏している計算になるので、思えば長く続けてきたなあ…と、しみじみ思います。

 先日、大学時代の友人とともに毎年1回のペースで行っているライブに演者側として参加してきました。出演者は素人&身内の知り合いばかりなので、気楽にワイワイ楽しく演奏でき、終わった後の打ち上げも毎年盛り上がるので、このイベントは私の年に1度の楽しみの一つでもあります。今回のライブでは4バンド出演しましたが、出演するバンド数が複数あると、それだけたくさんのジャンルの音楽に触れることができるため、それだけでも楽しめますし、また多くのテクニックを学ぶことができるので非常に参考になります。

ライブハウスの様子

 私が演奏するドラムについてですが、ドラムという楽器はアコースティックな楽器であるため、演奏の仕方次第で非常に繊細な音も奏でることが可能です。その特徴が顕著に表れるものの一つにジャズがあります。私は高校生からドラムを始めてこれまでポップスやロックばかり演奏してきましたが、数年前、ジャズを題材にしたアニメーションを見たことがきっかけで、ジャズを演奏したいなと思うようになり、ここ何年かはジャズドラムの練習も少しずつ行ってきました。

 ジャズの魅力は何といっても演奏の中でアドリブがあることだと私は思います。つまり同じ曲を演奏しても、その場の雰囲気やその時の気持ちによって微妙に演奏内容が異なることがあり、予定調和な演奏ではなく他の演奏者と息を合わせながら、まるで会話をするかのように演奏できるのがジャズの魅力だと私は思います。また、ジャズのスタンダード曲(定番曲)を知っていれば、その場で初めて会った人同士でもセッションすることができるのも魅力の一つです。

 ジャズというと、敷居が高そう…とか、難しいんじゃないか…などとイメージを持たれることが多いかと思われますが、実際はそんなことはなく誰でも気軽に楽しんでもらえる音楽のジャンルであり、街中のBGMやTVのCMにも多くのジャズのスタンダード曲が使用されていることからも、意外と身近な存在であると言えます。スタンダード曲にも様々な種類がありますが、今は秋~冬なので、「Autumn Leaves(枯葉)」がおすすめです。また「Some Day My Prince Will Come(いつか王子様が)」も個人的に好きな曲で、元々はディズニーアニメの白雪姫で使われた音楽をジャズでカバーした曲なのですが、3拍子のリズムとメロディーが非常に美しく、聴いていると穏やかな気持ちになります。

 今年に立てた私のひそかな目標の一つに“ジャズドラマーとしてセッションに参加すること“があり、既に一度とあるジャズバーでセッションすることができたのですが、まだまだ自分の納得のいく演奏はできなかったので、今後練習を重ねてからまたリベンジしたいなあと思っています。ゆくゆくは涼しい顔をして何でもさらりと叩きこなせるようになれたらいいですね。

ジャズバーにて


やまさき

SPring-8で実験してきました

先日SPring-8に出張してきましたので、SPring-8に関することを少し書きたいと思います。
SPring-8は阪大から在来線とバスでおよそ3時間、兵庫県は佐用町にあります。何故こんな不便な所にあるのかというと、広大な土地と硬い一枚岩盤をともに有する場所がここにしかなかったというのが理由です。山奥過ぎて野生のシカの群れがたびたび出没するくらいです(鹿対車の衝突事故にあった職員もいるくらいです)。名称は、Super Photon ring-8 GeV(ギガ電子ボルト)に由来し、公式には「大型放射光施設(SPring-8)」といいます。SPring-8は周長1436 m、加速エネルギー8 GeVで、世界最大級の放射光施設であります。この施設では電子を線形加速器と円形加速器シンクロトロンで加速し、この高エネルギーの電子ビームの軌道を磁場で変えるときに発生する放射光を様々な研究に利用します。SPring-8で使用する放射光には、非常に明るい(高エネルギー)、極めて細く絞られている(高指向性)、X線から赤外線まで幅広い電磁波をカバーしている、偏光しているなどの特徴があり、これらを用いることで実験室レベルでは見ることのできなかったものや現象を分析したりイメージングしたりできます。
私は今回、ビームライン(BL)25にて実験してきました。詳細は伏せておきますが、磁性材料に円偏光した軟X線を照射し、その磁気状態を測定してきました(X線磁気円二色性測定)。図1がBL25の様子です。こんな感じで巨大なリング状の管理区域内に全57のBLがあり、日夜実験が行われています。
ところでこの管理区域、周長約1500 mですので、えっちらおっちら歩くと1周20分もかかってしまいます。しかし最終日、乗り捨て自由のユーザー向け自転車が用意されていることを知りました(図2)。ぐるっと一周すると結構楽しかったりしました。もっと早く気づいていれば・・・!
以上、SPring-8のことを簡単にお話いたしました。今回が初めてのSPring-8だったのですが、世界でも指折りの研究施設で実験でき、非常に良い経験となりました。

岸田 憲明

図1 BL25の様子(担当者の許可を得て掲載)

図2 管理区域内専用自転車

図3 SPring-8タオルなんてものもあります

参考:理研八十八年史 第II編第2章 大型放射光 ~物質・生命科学の担い手~
http://www.riken.jp/pr/publications/riken88/

最近思うこと

 もうずいぶん前の話ですが、私は高校時代、自宅から学校まで山道で十数キロの距離を通学していました。あまりにも辺鄙な田舎に住んでいましたので当時はバイク通学が認められていたくらいです。私は最初、その長い道のりを自転車で通学していました。その頃は、電動自転車などはなく、長い坂道を自転車での往復は大変しんどかったので、バイク免許取得可能な年齢になってすぐ免許を取得しました。通学のためには排気量が125cc以下と制限されていましたので迷わず小型二輪限定免許を選択しました。実際には90ccのバイクを購入し通学に使用しました。しかし、卒業後はバイクに乗る機会もなくバイクのこともすっかり忘れていました。

 30歳を過ぎたある時、友人から250ccのバイクを譲り受ける話が舞い込んできました。このお話、私は少し興味がありました。しかし、私の免許は小型二輪限定で250ccのバイクは運転できません。結局あきらめてこのお話はお断りすることになりましたが、その時私は少し残念な気持ちになりました。それからも何度かバイクの話題が浮上しましたが、そのたびにこの年齢で今さら教習所に通うことを考えると少しめんどくさい気持ちもあり、いつもあきらめムードで終了となっていました。

 ところが意外な形で転機が訪れました。高校生の息子が「バイクの免許を取得したい」と言い出しました。「同じ取るのならちゃんとした(?) 免許を取りルールを守って運転したいので、最終的には大型二輪免許を取りたい」と言い出したのです。突然の申し出でしたが、本人の強い気持ち、熱意に対して応援することになりました。このことが私自身の気持ちにもスイッチを入れてしまう結果となったのです。結局、気がつけば私も同じ教習所へ入学し息子と同じ時間に同じコース上を教習車で走っていました。

 教習所では周りはみんな若い人達ばかりで、比較的高年齢である私の存在は少し場違いな感じがしました。教習所の先生方は年配の私に対しては特別で、大変やさしく敬語で対応してくれました。それにより私はさらに浮いていました。しかし、私の心はウキウキでした。このような状況を見ていた家族の気持ちにも変化があらわれ、その後家族が同じ時間に、同じコース上をバイクですれ違うこともしばしばありました。気がつけば家族全員が自動二輪免許を取得し、現有のバイク数では数が足りない状況にあります。


大山を背景に(鳥取県西伯郡)

 ではなぜこのようなことになったのかを少し振り返ってみます。小型二輪免許しか持っていなかった私は、本当はバイクに興味があり大型バイクにも少しは魅力を感じていたのかもしれません。初めて90ccバイクに乗り出してから大型二輪免許取得までの約20年余り、事あるごとにバイクのことが気になり続けていました。しかし、バイクの話題が出るたびにいつの間にか否定する理由ばかりを考えていたのです。大型自動二輪免許取得へのきっかけを与えてくれて、その後も理解を示し、後押しし続けてくれた家族には本当に感謝しています。今では趣味の一つとして私の人生を豊かにしていることは間違いありません。

 これで得た教訓はいったい何でしょうか。何かやってみたいと思った時が本当は適齢期。しかし、免許取得が早かったか遅かったかということは私の場合あまり関係なかったと思っています。やったかやらなかったかが重要です。今さらもう遅いということは決してありません。遅咲きでもいいじゃないですか。

 今、何かやりたいと思っていて最初の一歩が踏み出せないでいる方、あの時やっておけばよかったと今、思っておられる先輩方、あきらめないでください。今からでも遅くはありません。思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか! その夢応援します♡。


吉備津神社前にて(岡山市)

遅咲きライダー

太陽光エネルギーで聞く音楽

 省エネルギーが叫ばれる数年前から自宅で12W太陽電池パネル(図1)をベランダに取り付けて鉛蓄電池 (図2)に充電し、携帯電話やタブレットの充電に利用してきた。

図1 12W太陽電池パネル

図1 12W太陽電池パネル

図2 鉛蓄電池

図2 鉛蓄電池

 昨年50W太陽電池パネル(図3)と277Whのリチウムイオンポリマー蓄電池(図4)を追加購入して12W太陽電池とは別系統回路として、3W白色パワーLED3個を直列に連結したもの(図5)2組を並列につないで自室のデスク回りの夜間照明に利用している。

図3 50W太陽電池パネル

図3 50W太陽電池パネル

図4 リチウムイオンポリマー蓄電池

図4 リチウムイオンポリマー蓄電池

図5 3W白色パワーLED

図5 3W白色パワーLED

 休暇中に、この太陽光エネルギーを照明以外の使い方はできないかと考えた。

 あれこれ思案している内に、棚にあった昔々の安物のレコードプレーヤー(図6)に目が行った。ターンテーブルやアームに養生を施し、レコードプレーヤーをひっくり返して中を見てみてみるとどうやら直流モーター駆動のようである。テスターでチェックするとDC12V駆動であることが判明した。
早速直流モーターの駆動回路にリード線を半田付けし、2.1mm標準DC電源ジャックにつないでそれをプレーヤー本体側面にドリルで穴をあけて取り付けた(図7)。この改造により50W太陽電池パネルで充電したリチウムイオンポリマー電池のパワーでレコードプレーヤーを動かすことができた。

図6 レコードプレーヤー

図6 レコードプレーヤー

図7 後付けDCジャック

図7 後付けDCジャック

 さて次はスピーカーから音を出すためのアンプである。
 アンプは真空管式のキットを組み立てたもの(図8)で、これもDC12V駆動であるので同じく太陽光エネルギーで駆動することを試みた。
 リチウムイオンポリマー蓄電池で駆動してみたところ電源は入るもののLEDが点滅し音は出なかった。
真空管アンプの取扱説明書を見ると「重要な部分6カ所の電圧をマイコンで監視しており異常がある場合は安全のため真空管への電源供給をシャットダウンし、LEDの点滅で知らせます。」との記載があった。
蓄電池からプレーヤーまで自動車用DC12V延長コード(図9)2本で約4m離れたところで駆動させようとしているのでどうも電圧降下が生じているものと考えられた。
 更にリチウムイオンポリマー蓄電池の取扱説明書によると、出力電圧が満充電の場合でも12.6Vで、通常はDC11.3V以上というやや低めの設定であるために延長コードでの電圧降下もあってアンプの保護回路が働きうまく駆動できなかったようである。

図8 真空管式アンプキット

図8 真空管式アンプキット

図9 自動車用DC12V延長コード2m

図9 自動車用DC12V延長コード2m

 12W太陽電池パネルと鉛蓄電池の組み合わせのものの充放電コントローラ(図10)が最低出力電圧DC12V以上を保証しているようなのでそれをアンプにつないだところ正常に使えることが分かった。
但し、鉛蓄電池の容量が12V5Ahと小さいためレコード2枚ほどを聞くうちに電圧低下から充放電コントローラが出力をシャットダウンしてしまうことが判明した。
 それほど長時間音楽を聴くこともないので個人的には満足している。

図10 充放電コントローラ

図10 充放電コントローラ

 レコードプレーヤーから流れる昔々の音楽が太陽光エネルギーで聞けるのである。
レコードの小さい傷のノイズも含めてあったかな音楽に聞こえるのは気のせいか・・・。

 自己満足の世界に浸る技術職員の休日の一日である。

T. Ohmichi

統一採用試験を振り返って

はじめまして、新人技術職員です。早いもので、入職してもう2ヶ月が経とうとしています。
この度、恐れ多くも技術部ブログ記事作成の任を受けました。
テーマは何でもよいとのことだったので、技術職員を目指している方に向けて、統一採用試験のことを振り返りたいと思います。

現在、大阪大学の技術職員は概ね「近畿地区国立大学法人等職員統一採用試験」(http://www.kyoto-u.ac.jp/siken/index.html)と呼ばれる試験を経て採用されており、私もそのうちの一人です。
試験の流れは以下の通りです。
1次試験(全区分共通)→機関訪問(参加自由)→2次試験(各機関・各区分で面接や専門試験)→採用

実は事務区分で受けようか悩みましたが、最終的には前職の経験を活かせる可能性のある電子・情報の区分で受けることにしました。
インターネット等で情報収集をしている際に感じたのは、技術職員に関する情報の少なさです。事務職員については色々見つかるのですが、総数が少ないせいか有益な情報がなかなか見つかりませんでした。
1次試験は公務員試験の教養試験に近いもので、結果が発表されるまでは約1ヶ月あるのですが、恥ずかしながら勉強不足により感触がよくなかったので正直落ちたと思っていました。
統一採用試験では日程が重ならなければ複数機関の2次試験を受けることができるため、可能な限り受けてみようと思い、機関訪問で4箇所回りました。機関訪問に参加しなくても2次試験を受けることは可能ですが、これから長く働くであろう職場のことを知る数少ない機会です。特に技術系区分は採用後の配属先が予め決まっている場合が多く、具体的な業務内容を知ることができるため、なるべく参加したほうがよいと思います。
本学工学研究科技術部の機関訪問では、配属予定先の見学・業務内容紹介・個別相談会等、私が回った中では最も充実しており、実際の仕事のイメージがしやすく非常に参考になりました。
2次試験では面接のほかに筆記の専門試験を課す機関が多く、そこで最低限の専門知識を有しているかを判断しているのだと思います。私は文系学部出身でしたが、前職が情報系だったのでなんとかなりました。面接ではあまり専門知識については問われず、技術職員といえども人物重視で判断しているように感じました。そして面接当日の夜(早い!)、内定の電話を頂きました。
ちなみに、技術系区分は1次試験通過の段階で人数が絞られているため、面接は1回で終わることが多いようです。

以上、あまり参考にならないかもしれませんが、何かのお役に立てば幸いです。
最後に、本記事の内容はあくまでも私が受験した際の個人的な所感に基づくものです。必ずしも上記の通りとは限りませんのでご注意ください。

うえの

六甲全山縦走

8月に友人から11月に行われる2015KOBE六甲全山縦走大会へのお誘いがあった。昨年も誘われていたが足の調子が悪くお断りしていた。今年は調子も悪くないし、何度も声をかけて頂いているので今年は一緒に申し込んでもらうことにした。(半分当選しない事を期待していたが)

私も過去には梅田から嵐山(約45km)、大津から名古屋(約100km)を歩いた経験があるので何とかなるであろうと思っている。

六甲全山縦走大会は1975年(昭和50年)に神戸市主催で始まり、毎年11月に2回開催されていて各回に2000人の定員で行われている。

六甲全山縦走は六甲山系の西端の須磨浦公園(本来は塩屋らしい)から東端に至る宝塚までの約56kmの行程を歩くもので標準的には14~15時間かかるらしい。

本大会は須磨浦公園のスタート時間が5:00~7:00の間で宝塚ゴールの最終が22:40で最長17時間40分を設けられている。ハイキングの初心者から中級者を対象としたイベントなので早さを競うのでなくゴールまで歩くことが目的としている。

しかし、間に3か所のチェックポイントが有りそれぞれに設けられた時間に遅れると失格となりそこから帰ることになる。

いきなりは歩けない、ということで練習がてら9月の休みに須磨浦公園~鵯越えの手前までを6時間ほど歩いた。

誘って頂いた友人は普段の休日から京都や兵庫の山を歩いており、昨年は槍ヶ岳にも登るような人で、付いていけるかと不安であったが、その日は足慣らしに瀬戸内海、六甲の山々の景色を眺めながら歩いたので無事に終えることが出来た。

鉢伏山から瀬戸内海を臨む

鉢伏山から瀬戸内海を臨む

須磨アルプス(馬の背)

須磨アルプス(馬の背)

その後の練習で足を痛めてしまい1か月ほど空いたのだが、2回目の練習を11月7日に行った。ルートは新神戸駅~摩耶山~宝塚と縦走ルートの縦走ルートの後半部分を歩いた、8:30出発で休憩、昼食を取りながら5時前には宝塚に無事に到着した。

新神戸駅から縦走コースまでのルートは滝やダム湖などが有り湖畔の紅葉や山を眺めながら歩くことが出来た。

最後の方は日が暮れることもありペースを上げて進むことに。何とか最後まで歩けたが膝は笑い、ふくらはぎはパンパンに張った状態で終えた。3日ほど筋肉痛に悩まされたのは言うまでもない。

たまの休日のんびり過ごすのも良いのだがハイキングなど郊外に出かけてみるのも楽しい物だ。

大会当日の11月23日には無事に縦走できるように頑張ってきます。

そして、その時の様子はこのブログに投稿できるようにしたい。

釣り体験

 私は神戸市の垂水区に住んでいる。家から電車に乗ると平磯海釣り公園、須磨海釣り公園や須磨浦公園がよく見える。私は須磨浦公園が好きで良く散歩に行く。平磯海釣り公園、須磨海釣り公園はどちらも釣りで有名だが実は私は釣りをほとんどしたことがなく2度だけである。
 1度目は、小学生時代にレジャークラブで平磯海釣り公園へ釣りに行こうとしたことだ。そのクラブ活動の一環でプールでキャストの練習をしたことがある。10メートルくらいは飛んだ。しかし指を怪我して平磯海釣り公園で行われた本番では見学をしていた。
2度目は大学院生の頃に友人と二人で須磨海釣り公園に行ったことがある。早朝に魚が釣りやすいとよく言われるが、私達は予定の関係でお昼に行った。昼の1時ごろから4時頃まで始めた。
 アミエビを使ったサビキ釣りをおこなった。最初はわからず、エビを針につけようとしたり、自分の手袋に針が刺さったりした。友達がスタッフさんに確認に行ってくれ、エビはかごにつめるものと知った。一向に釣れなかった。時間帯のこともあり釣れないのかなと思った。しかし、ほんの5メートルほど隣の子ども たちを見ていると何匹も魚を釣っていた。私達と何が違うのだろうと考えながら釣りをしていた。私は魚がかかった時にどのような感覚があるのかがわからな い。少し震えてかかったと思い引き上げたら釣れてないということが何度も続いた。友達も同じでどちらが先に連れるか競争しながら、とりあえず一匹釣ること を目標にしていた。そして私は友人に竿を見てもらってお手洗いに行った。帰ってくると友人が魚をすでに釣り上げており、釣台の上で飛び跳ねている魚を手で捕まえようとしていた。種類はわからなかったが30センチ位の魚だった。その一匹は近くの家族で来ていた人にあげた。次は料理して食べるところまでやりたいなと話しながら帰った。
 技術部の人は釣り好きの人が多い。色んな釣り方や魚の種類があり、奥が深いということを知った。いつか一緒に釣りに行きたいと思っている。

須磨浦公園

 須磨浦公園で撮影した須磨海釣り公園。右の写真のから階段を降りると道路の下を抜ける地下通路がある。

新入職員

NMRを少しずつ

私はNMRという機器分析装置を管理する仕事をしています。そう言われてもそれは何?と思われるかもしれません。なかなか分かりやすくて面白く説明するのは難しいものです。かといって、これは有機化合物や蛋白質の構造を解析するための装置ですと書けば、はいそうですか。で終わり、やや詰まらないものになってしまうかもしれません。そういう訳で、少しずつ、なるべく分かりやすい、そしてある程度納得のいく所を目指して書ければいいなと思います。

NMR(画像を一部加工しています)

NMR(画像を一部加工しています)

まず、MRIという医療機器の名を知っている、もしくは聞いたことがあるという方は比較的多くいらっしゃると思います。MRと呼ぶ所もあります。よくCTという医療機器とセットで検査項目に入ったりします。実際に検査をされた経験のある方はよく知っていらっしゃると思いますが、検査の時は、体を仰向けにして、台の上に寝た状態で動かぬよう固定され、そのまま、せまいトンネルの中に閉じ込められて、数十分もの間、ガガガガッとかゴトンゴトンといった恐ろしい音を永遠と聞かされる精神的にはよろしくなさそうな検査です。(やや大げさに書きましたが、特に痛みは無く、横になってじっとしているだけなので慣れれば平気です。閉所恐怖症の方は辛いかもしれません・・。)

MRI

MRI

話は戻って、このMRIとNMRは兄弟みたいな関係にあります。MRの文字が共通していることに気づかれたと思いますが、省略せずに書くと、Magnetic Resonanceとなり、日本語で磁気共鳴と言います。それから、NはNuclearで核という意味です。MRIにNが付かないのは、核という言葉が世間では核兵器→放射能を連想させるので、医療用にはそのことに配慮してNの文字が除かれたのだそうです。つまり、(N)MRIとNMRはIの部分、Imaging(画像化)をするかしないかの違いととりあえずは考えておけばよいかと思います。かなり強引な説明ですが。 検査の時に閉じ込められるあの巨大な筒状の物体は電磁石です。その中には巨大なコイルが巻かれていて、そこに電流が流れ、右ねじの法則(中学で習うやつ)に従って、コイル周辺に磁気が発生しています。磁石といっても強力なもので、およそ10テスラ(100000ガウス)くらいあります(地磁気が0.5ガウスくらい。ピッ○エレ○バンが800ガウス)。もう少し書くと、コイルは超伝導状態(抵抗値ほぼ 0)なので、永久磁石になっています。 要約すると、超強力な磁石を作ってその中に人を放り込ん・・入れてみたらどうなるだろう??といった塩梅です。

次回につづく。

たなか

楽しめればやり遂げられる !

 少し前になりますが、友人に誘われ和歌山に1泊2日の小旅行(3人旅)に出かけました。目的はカヌーで川下りをやること。初日に現地に入り近くにある名所旧跡を訪ね歩き観光を済ませ、明日に備え早々にホテルに着き温泉と夕食(酒も飲む)に舌鼓を打つ。3人の話題は初体験のカヌーでの川下りだったが、不安はなく期待の大きさに声も上ずり好きな酒も控えめにして早寝する。翌朝カヌーの受付事務所(予約済み)で受付けを済ませ簡単にカヌーのことやパドルの操作法などを聞き、川漁師がアユ漁の季節でヤナ棚が設置してあるので漕ぎ入れないようにとの注意があった。ライフジャケットとヘルメットを装着し、そのままタクシーでスタート地点まで送っていただく。山あいの曲がりくねった川沿いの道を行く途中で見え隠れするこの川を上流からカヌーで河口まで漕いで下って行くのかと思うと自然に闘志が湧いてきた。

     スタート地点に立つ3人

 カヌーに乗り込み、いざスタート。スタート地点は池のように穏やかな水面だったのが下っていくにつれ視界が広くなったり狭くなったりする。また急に石ころだらけの浅瀬に出たり、ある所では淵のように水の色が濃くなり水温も急に下がる。川の恐ろしさや底知れぬ不気味さも感じた。

 川下りも中盤にさしかかったころ、石ころだらけの広くなった岸に出た。初めてのパドル操作に疲れてもいたので休憩を兼ねここで昼食にする。瀬音と水面を走る風香を一品追加し、チョットビールも飲む。アッという間に予定の時間をオーバーしていて後半はピッチを上げなければならなくなった。

 再出発、アユ漁のヤナ棚が仕掛けてある所ではカヌーがやっと通れるほどの川幅だったり、河口までに川の見せる変化や営みに驚かされ通しだった。いつも路から眺めていただけの川が、カヌー目線で見る景色はこれまでとは全く違った別世界のものだった。見上げると川沿いの道路を車が行き交い、ハイカーが楽しく歩いていく。水面から見上げる山肌が断崖絶壁に見える。河原に咲く季節の花も下から見上げると可憐な感じがした。そして幾度もくぐりぬけた橋の裏側は表側の生活道路とは違ってどれも不思議な感じがしてプッと笑いそうになった。

              幾度となく潜り抜けた橋と絶壁

 このカヌー体験を私の人生と考えた時、川の流れに任せてゆっくり漕ぎ出したカヌーが快調だった時間は少なく、浅瀬で底をブツけたり、水量の少ないところではカヌーを下りて引っ張ったり、反対に急な流れに押し流されたり、また難所では転覆して大切なものを流されて必死にかき集める姿がとても惨めだった。そして一生懸命に漕いでいるのに仲間から少しずつ遅れる。それでもやっとの思いでゴールに到着した時の達成感、完走できた満足感は例えようがありません。苦しいことや辛いことを楽しみながらやりこなせれば最高の人生でしょう。苦しいことも辛いことも全部まとめて生きていることを楽しみたい。

 皆さんは年を重ねていけば気が長くなると思いますか。それとも気が短くなるとお考えでしょうか。私は、気が短くなっていくと思っています。理由は自分に残された時間が日毎に少なくなり、焦りがでて気付かないうちに短気になっていくのだと思っています。例えば、60歳(生後21,900日)で定年退職し、65歳(生後23,725日)まで活躍できたとします。その後も色々と自分なりに努力し頑張ったとして70歳(生後25,550日)、いや75歳(生後 27,375日)ぐらいでしょうか。

 オギャーと産声を上げて誕生した赤ちゃんでさえカウントダウンが始まり、残され時間は28,000日(75歳)もないのですよ。生まれて死ぬまでアッという間です。

 そして後、自分に残された時間は70歳までとした時、すでに過ぎ去った日が23,700日余りにもなっている。自分に残された日数は僅か1,800日余りしかない。過ぎ去った時間の多さに驚き、もう1日も無駄に過ごすことができない思いです。

 皆さんも一度は残された時間の計算をされて、如何に過ごすべきか、自身に問いかけ悔いのない素晴らしい人生を創造されてはいかがでしょう。

 纏まりなく長くなりましたが、ご覧いただいた方の心に少しでも響けば幸いです。

鯛 港防0024