大阪大学工学研究科技術部では高校生向けイベント「ひらめき☆ときめきサイエンス」ものづくり道場:放射線検出器を作ってみよう!を2015年、2016年に引き続き実施いたしました。
プログラムの代表者は放射線(中性子)による新しいがん治療法研究や放射線の計測機器の開発、新エネルギー源となる核融合中性子に関する研究を行っている村田勲教授です。
本イベントはJSPS科研費JP15H04242の助成を受けたものです。

実施内容
放射線は肉眼では見えませんが、放射線検出器を利用することにより医療分野や工業分野において貴重な情報を与えてくれます。 本プログラムでは放射線の性質や有効利用についての理解を深めるために、放射線を見るための霧箱を作ったり、“放射線検出器製作キット”を利用した放射線検出器の製作に挑戦しました。 また放射線検出器の作製にあたっては職員・大学院生の補助の元、はんだ付けで電子回路を作り“ものづくり”の楽しさや難しさも体験していただきました。
- 日時:平成29年8月9日(水) 9:40~17:00
- 主催:工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 村田研究室
- 共催:工学研究科 技術部
- 後援:工学研究科 創造工学センター
- 協力:大阪大学21世紀懐徳堂
- 会場:大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学 吹田キャンパス内 21世紀プラザ4階 創造工学センター
- 持ち物:筆記用具(詳細は別途連絡)
- 対象:高校生(家族・学校関係者の見学(参観)可能)
- 参加人数:17名

当日のスケジュール
09:40~10:00 | 受付 [吹田キャンパス 創造工学センター(21世紀プラザ4階)] |
10:00~10:20 | 開講式(工学研究科長挨拶、記念写真撮影、オリエンテーション、科研費の説明) |
10:20~11:00 | 講義①「放射線の基礎と最先端技術」 |
11:00~11:30 | 実習①「霧箱を使って放射線を観察しよう!」 |
11:30~12:30 | 昼食・休憩 |
12:30~12:50 | 講義②「放射線検出器を作ろう」 |
12:50~15:00 | 実習②「放射線検出器:ガイガーカウンターを作ろう。(前半)・製作」 |
15:00~15:30 | クッキータイム・ディスカッション |
15:30~16:30 | 実習③「放射線検出器:ガイガーカウンターを作ろう。(後半)製作・測定」 |
16:30~17:00 | 修了式(アンケート記入、創造工学センター長による未来博士号授与) |
終了・解散 |
当日の様子













受講生のご意見・ご感想(アンケートより)
放射線については、原発で聞いたり、少し授業で扱っていたりした程度でしたが、放射線を使った医療方法を知れて興味が湧きました。核融合発電については、特に興味があるので、これから核・原子・分子などに詳しく学びたいと思った。有意義な時間でした。
半田付けをした時に正常に動かなかったが、いろいろ調べていって原因をつきとめた時が楽しかった。工学系の仕事に就きたいと思っているので、またこのような機会があれば、参加したい。
放射線検出器の工作は、とても楽しかったのですが、最後に作った機械を試したのが、どういうことが行われているのか分かり難かったです。次にやるときには、何回放射線を検出したのか、わかり易くしてください。
今日のような講座を通して、自然界に存在する放射線をむやみに怖がらず、好奇心を持って学べる人が増えて欲しいですね。
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。長崎の方から来させていただいたのですが、すごく良い体験になりました。ぜひ機会があれば、村田先生も長崎で講演をしていただきたいです。本当にありがとうございました。
整理された図や実物の写真などが、うまく使われていたので、説明がとても分かりやすかったです。そして、かなり深い難しい話をしてくださり、興味を持てました。
BNCTは、とても革命的な治療だと思いましたが、奥深いところは、まだ治療できないと聞いて「これから改良が必要なんだな」と思った。これが、癌治療の最善になって欲しいと思った。
科学の力を使って動くものを自分で作ったのは、初めてだったので、とてもおもしろかったし、もっと科学について知りたくなった。また、放射線は病気で使われているということは知っていたけれど、どのように使われているかは知らなかったので、この機会に知ることができてとても良かった。自分も人を救えるような物質を見つけたいと思った。
多くの命を救えるかもしれない技術の一端を見れてうれしかったです。研究がんばってください。